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レッドペッパー研究報告

2016年06月16日    [ レッドペッパー ][ 研究報告 ]

食べないダイエットよりも,辛くないカプサイシンを食べるダイエットが効果的!

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2011 年に Bioscience,Biotechnology,and Biochemistry という科学雑誌に発表されていた論文の紹介です。

 

皆さんは、唐辛子に含まれる辛味成分「カプサイシン」がダイエットに効果的と言われている事を聞いたことがあると思います。
「カプサイシン」がダイエットに効果的とされるのには、次の2つの特徴によるものと報告されています。

 

  1. 体脂肪蓄積を抑制する
  2. エネルギー代謝を促進する

 

実は、この「辛い」唐辛子には「CH-19」という代表敵な品種があるのですが、
この CH-19 と同じような物質構造をしていながら「辛くない」品種が存在することがわかったのです。
その品種は「CH-19 Sweet」(CH-19甘)と命名され、カプサイシンに似た辛くない物資群は「カプシノイド」と命名されました。

 

今回紹介する論文ではマウスを使って、この辛くないカプシノイドの効果を検討しています。
結果として,カプシノイドは辛くないけど、カプサイシンと同じようなダイエット効果・リバウンド抑止効果がある傾向がありそうであることが見えてきました。

 


 

実験ではマウスを次の4つの群に分けて観察しました。

 

  1. コントロール群: 栄養成分・量の決まった液体食
  2. カプシエイト群: 決まった成分割合・量の液体カプシエイト食
  3. 10%減量食群: コントロール群の食餌を10%減らした食事
  4. 30%減量食群: コントロール群の食餌を30%減らした食事

 

この4つの群は、まず上記の食餌を2週間続けて体重測定。
更にこの時、各群の半数は解剖され、血液検査や様々な臓器の重量を測定。

 

その後、各群とも4週間にわたり自由に食餌をさせて再び体重測定をしました。

 

 

【代表的な結果】

 

  1. 体重変化について (もとの体重は約 32.5g、コントロール群に対して食餌振分け後から2週間時点での比較)
    1. カプシエイト群: 平均 3.2g 体重増加が少なかった
    2. 10%減量食群: 平均 4.5g 体重増加が少なかった
    3. 30%減量食群: 平均 9.2g 体重増加が少なかった(更に、最初よりも体重減少)
  2. 血中成分について(コントロール群に対して食餌振分け後から2週間時点での比較) 
    1. 中性脂肪: カプシエイト群のみ、統計学的意味をもつ減少
    2. 血糖値: コントロール群に対して残り3群全て統計学的意味をもつ減少
    3. レプチン (別名:肥満ホルモン) : コントロール群に対して残り3群全て統計学的意味をもつ減少
  3. 脂肪の蓄積について
    1. 腎臓周囲: コントロール群に対して残り3群全て統計学的意味をもって少なかった
    2. 精巣上部: コントロール群に対して残り3群全て統計学的意味をもって少なかった
  4. 身体全体のエネルギー消費量
    1. 酸素消費量: カプシエイト群のみ、統計学的意味をもつ上昇
    2. 脂肪酸の β 酸化: カプシエイト群、10%減量食群は統計学的意味をもつ上昇
  5. 体重のリバウンド
    • 各群とも、2 週間の栄養成分・量の決まった液体食制限後、この制限を解除して 4 週間は好きに食餌ができる環境にしたところ・・コントロール群では約 6g の体重増加 (約 15% 増加) となりました。つまり、リバウンドです!
    • カプシエイト群のみ、統計的に意味をもつ体重減少ではではありませんでしたが、 コントロール群と比較して体重増加は 1.32g 少なかった (約 11% 増加) のです。
    • ちなみに、10% 減量食群はコントロール群よりも微増 (統計学的に意味をもたない、微増)。
    • ところが、30% 減量食群はコントロール群よりもさらに 2.79g も多い体重増加 (約 20% 増加) でした!もちろん、統計学的に意味をもつ体重増加です。  

  

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体重増加、脂肪蓄積が緩やかでエネルギー消費量は UP、何といっても、極端な食餌制限に比べてリバウンドが強く抑えられるのはメリットですね!

 

 

※文献:Bioscience,Biotechnology,and Biochemistry,75(1),95-99,2011

 

 

 

※論文を分かりやすく紹介したものであり、医学的・栄養学的な指導をするものではございません。
※また、非常に簡単に紹介しているため、記事内容の正確さについての責任は負えません。

 

 

著者 流 俊介
千葉県生まれで日本大学農獣医学部卒業後、某製薬会社に勤務。
また、会社勤務の傍ら現在順天堂大学大学院医学研究科で日夜勉学に励む。